歯垢の長期の付着と がんの関連性の可能性

歯垢の長期にわたる付着、がんで早期に死亡するリスク上昇か


  6月12日(ブルームバーグ):歯垢が付着した状態が長期にわたって継続すると、がんで早期に死亡するリスクが高まる可能性があるとの研究報告が、英医学誌BMJオープンに掲載された。

スウェーデンで実施された24年間にわたる追跡調査によると、被験者のうち、がんで死亡した35人の歯垢の付着水準は他の1365人と比較して高かった。カロリンスカ研究所(ストックホルム)のバージッタ・スーダー名誉教授(予防歯科)が中心となってまとめた研究報告によると、人口統計データでは女性は13年、男性は8.5年長く生存できる可能性が高かったため、これらの患者の死亡は早過ぎると考えられる。

歯垢は細菌でできており歯の表面を覆っている。虫歯や歯肉炎の原因になるとみられている。研究者らはこの調査について、歯垢とがんの関連性が観測されたにすぎないとした上で、歯垢の毒素が血液中に侵入し「潜在的な全身作用の結果」、体内の他の部分に広がる可能性があると指摘した。

研究報告は「歯の表面や歯肉ポケットの細菌負荷が長期間にわたって高い場合、発がん作用の一因となる可能性があるのは確かだ」と説明。「ただ、観測された関連性について因果関係を示す何らかの要素があるかどうかを判断するにはさらなる研究が必要であることは明白だ」としている。

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更新日時: 2012/06/12 09:40 JST